仮説行動――マップ・ループ・リープで学びを最大化し、大胆な未来を実現する のリスクの定義の説明が面白かったので、自分のリスクの解釈とその向き合い方についてまとめておく。

リスクとは

リスクとは effect of uncertainty on objectivesISO31073:2022 にて定義されている。 日本語で表現するなら「目標に対する不確かさの影響」。 私もこの定義に従うことにする。

ここで面白いのはリスクはネガティブな意味合いが強いが、上記の定義ではプラスに働くこともありえるということ。 そうなってくると「リスクを取らない選択」という表現は違和感があり、リスクは管理していくものなのだと納得できる。

「リスクを見積もる」

「リスクを見積もる」 = 「目標, 不確かさの影響の解像度を上げること」とすると以下の点が重要だと感じた。

  1. 最終ゴール(目標)が何かであるかは把握しておくこと。
  2. リスクに対する打ち手には負の影響を低減する方向性と、正の影響を最大限強める方向性の2種類があるのを理解しておくこと。
  3. 許容可能な損失(アフォーダブルロス)を把握し安全な状態で管理できるようにすること。なお安全とは「許容不可能なリスクがないこと」(ISO/IEC GUIDE 51:2014)である。

1についてまずは大目標として何がどうなっていて欲しいのかを定める必要がある。 意外と無意識の領域に潜んでいる言語化されていないコンテキストも含んでいたりする。 大目標を細分化し小目標に分割するのも解像度を上げるには有効な手立て。 共通認識が取れていないと根本から考え直すことに繋がる可能性があるのには注意したい。

2については前者の負の影響(損失)が過大評価されがちで、後者が過小評価されがち。 前者は知識やスキルで軽減しやすいので、前者にばかり目を向けすぎないこと。

3については逆に許容できない損失は何かを考えておくのが良さそうである。 撤退ラインを用意して致命的な破滅は防ぐ。 許容できない損失は、ポートフォリオで分散し強弱をつける、損失に時間軸の要素を足すといった観点からもコントロール可能である。

「リスクをとる」

「リスクをとる」 = 「不確実さをコントロールし目標に向けて進む決断をすること」

ここについては見積もりをいくら頑張ったとしても100%を用意することはできない。 どこかでエイヤと前に進む判断が必要になってくる。

リスクがとれる人になるには

「リスクを正しく見積もったうえで、不確実さをコントロールし目標に向けて進む決断をし、そこに向けて筋の良い打ち手を出して動けるか」という技量が必要になってくる。 それができれば誰も苦労しないのだが要素ごとに考えてみると、指針につながるヒントはたくさん見えてくる。

  • まずは何で困っていて、何を目指しているのかというビジョンを考えること。
  • 大勝ちするための打ち手のアイデアは意識的に考えておいた方が良さそうである。負の影響(損失)を過大評価しがちなので、そのバイアスを理解しておきたい。
  • とりあえず腹を括ってやってみること。成功/失敗経験は次にリスクを見積もる際のFBとして必ず役に立つはず。いくら見立てても失敗するときは失敗するが、撤退ラインを正しく設定しておけば致命傷にはならないし、大事なときに失敗しないように仕向けることは可能。
  • 「許容できない損失」のボーダーラインを上げること。知識やスキルを高めていき, 余裕のある状態を保つこと。

さらにリスクを見積もる力はリスクをとる決断をすることで養われるという構造もみえてくる。 若い頃は色々チャレンジした方が良いと言われるのは、ここらの構造に由来している部分も大きそうである。